那須 観音山(1640m) 2014年3月16日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 5:52 国道−−5:59 観音川−−7:07 1315m峰−−07:46 1456m峰−−8:22 観音山 8:31−−9:06 1315m峰−−9:23 観音川−−9:36 国道

場所福島県南会津郡下郷町
年月日2014年3月16日 日帰り
天候快晴
山行種類残雪期
交通手段マイカー
駐車場国道路側駐車余地
登山道の有無無し
籔の有無雪で埋もれて詳細不明だが、ネットによると無雪期は激籔
危険個所の有無北西尾根に乗るまで急斜面の連続で滑落注意
山頂の展望大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント下山後、ネットで調べたら通常は森林公園から登るようだが、まさかそこまで除雪されているとは予想できなかったので、甲子トンネル西口付近から西北尾根に取り付いた。この付近はどこも急斜面で場所によっては這い上がるような場所も。ただし潅木が多く滑落のリスクは低いのが幸い。登ったルートより下ったルートの方が傾斜が緩やかで使いやすかった。尾根に上がると山頂直下以外はなだらかな稜線が続き展望も良好。標高1450m以上で霧氷が見られた。山頂はだだっ広くガスられたら厄介な場所だが低木しかなく大展望が楽しめる




駐車余地。邪魔にならない場所は2個所だけ 道路の除雪は完璧
朝の気温。帰りは+5℃だった 杉植林帯を横断。まだ花粉は出ていない
観音川向けて平坦地を進む 北西尾根。どこも急斜面
観音川。流れは細いが両岸の段差がやっかい 往路は倒木を利用して川を渡った
正面の斜面に取り付く カモシカの足跡が縦横無尽
小尾根を直登。えらい急でよじ登る場所も 延々と続く急斜面
振り返ると高倉山、鍋山
標高1150m付近 標高1280m付近
1313m峰 1440m肩へと向かう
ワカンにスイッチ
標高1420m付近
1440m肩から見た1456m峰
1456m峰を越えると霧氷が登場 1440m肩を振り返る
1620m肩へと突き上げる 霧氷がきれい
1420m肩から見た観音山。雪は締まっている 観音山山頂。背後は旭岳
観音山から見たパノラマ展望(クリックで拡大)
観音山から見た七ヶ岳 観音山から見た舟鼻山
下山開始 1313m峰
1313m峰より北西に進む 尾根らしくなるまでトラバース
谷を越えて小尾根を下る 尾根が消えてしまい谷を下る
この谷は往路の尾根より傾斜が緩く歩きやすい 振り返る
観音川への下りが一番急だった ここで渡渉

国道到着



 日曜日は午後に日本海側を前線が通過する予報で、午前中は晴れだが午後から天候は下り坂だという。どのみち東京へは渋滞が始まる前の早い時刻に帰りたいので午前中の早い段階で下山できる山を考える。持ってきた地図の中では旭岳西側の観音山辺りがいいだろう。標高は1640m、下界との標高差は約650mなので、通常なら1時間半程度で到着できる。ただし、雪がある時期はもう少し時間がかかるし、今回登るルートは急斜面が待ち構えていて、1ヶ月ぶりの山登りで体力が落ちた足にはきついだろう。

 斜面の取り付きは国道に面した観音山北西尾根のできるだけ標高が高い場所の方が楽ができるが、傾斜が緩い尾根を選ぶのが安全だ。また、駐車個所も問題になる。国道は大部分の場所で道幅しか除雪していないので邪魔にならないように駐車できるのは2箇所だけ。1箇所は甲子トンネル西口付近で、その近くの尾根はかなり傾斜がきつくヤバそう。もう1箇所は数100m下がった旧国道分岐。ここは旧国道の入口付近のみ僅かに除雪されていて車を突っ込める。ここに車を置いて適当に斜面に取り付くことにした。

 朝は冷え込んで道路の温度計は-5℃。雪は良く締まっているし天気は快晴。昨日の教訓よりスノーシューではなくワカンを担ぐ。もちろんピッケルに12本爪アイゼンもだ。

 国道を横断して目の前の杉植林帯へ。気温が低くまだ花粉を飛ばしていないので問題なし。植林を抜けると河原のような落葉樹林の平坦区間を尾根向けて進んでいく。少し心配なのは観音川の渡渉だが、源流に近いので昨日の阿武隈川よりは水は少ないと思う。もしかしたら雪に埋もれているかと思ったが接近すると水音が大きくなる。実際の流れは大したことはなかったが、両岸が法面状になっていて簡単に川に下れない地形だった。どうしようかと思案していると上流側に橋をかけたように倒れた木があり、それを利用した。木の上にも雪がたっぷりと積もって木の幅よりも広くなって安全に渡ることができた。

 渡る前にカモシカの足跡があったが、左岸側もカモシカの足跡が多数あった。ただし、目の前の急斜面を上がる足跡は皆無でどれもトラバースばかり。カモシカも敬遠する斜面を登るのかぁ。地形図を見てもこの近くの斜面はどこも同様の地形なので選択の余地は無い。幸い、見える範囲の斜面は潅木が生えて滑落の危険だけはなさそうだ。

 目の前の斜面に取り付いて登り始め。左手の小尾根に乗るが最初から這い上がるような傾斜が。こんな場所は雪が付いていても足元の雪は崩れやすく足場が決まらず苦労する。ピッケルと潅木に掴まって強引に体を持ち上げる。これで木が無かったら恐ろしくて登れない斜度だな。

 超急斜面を越えても気が抜けない斜度が延々と続く。効率が良いと言えるが足にはきつい。トラバースには怖い斜度なのでひたすら潅木に掴まりながら12本爪アイゼンを効かせて直登。超急斜面は合計3個所くらいだったと思う。

 樹林が少し開けて頭上が明るくなり、今までより傾斜が大きく緩むと標高1110mに到着(この時点では現在位置は把握できていない)。樹林が開けて背後の展望が広がる。この先はやっと急斜面区間から脱出してそこそこの斜度の尾根を進んでいく。ただし少し藪っぽくなり、尾根の真中を外して進んだりもする。

 それまでの樹林はほとんどが落葉樹だったが、初めての小ピークに乗り上げると背の高い常緑樹(たぶんアスナロだったと思う)に覆われる。ピークなのでやっと現在位置が把握できるだろうと地形図を広げると1313m峰だった。まだ標高差で半分しか登っていないかぁ。ただ、地形図を見るとこの先は恐ろしい急斜面はなさそうなので安心して歩けそうだ。帰路として登ってきた斜面を下るのはかなり怖いので、下山は西側の尾根を下ってみるか。

 1313m峰を越えて僅かに下ると樹林が開けて1440m肩がピークのように聳えていて、そこに続く広い尾根も見える。ここは安心して歩ける区間だが尾根が広いので登りはいいが下りは方向を間違えないよう要注意。今は足跡が残るので問題ないが。この付近からはアイゼンの出番は無く、足首程度しか沈まないが労力削減のためワカンを装着。今シーズン初めてだが結び方は忘れていなかった。私のアイゼンはワンタッチではなく1本締めだが、ワカンも同じような感じだ。ワカン装着でだいぶ歩きやすくなった。

 広い斜面状の尾根を緩やかに登り上げると1440m肩に到着、ここは樹林(たぶんアスナロ)に覆われた小ピークとなっていて先の様子が見通せない場所だった。少し先に進むと木が全く無い平坦区間が登場、正面には霧氷で真っ白な木を纏った観音山とその背後は樹木が無く真っ白な旭岳。天気は快晴で最高の気分! やはり雪のある時期はこの風景でないと。

 この先は傾斜がきつくなるまでは東側に雪庇が張り出しているのでやや西寄りを歩く。こんなのも久しぶりで雪山らしくていい。標高1500mを越えて尾根の傾斜がきつくなると霧氷がいっそう鮮やかに。尾根の幅が広がりルートの選択肢が増えて、霧氷がいっぱい付いた枝を避けつつ進んでいく。所々ウィンドクラストしているのか硬い雪面がありワカンでは少し苦しかったが、ピッケル併用で切り抜けた。そんな場所は距離にして10mほど、もし滑っても尾根が広くてはるか下まで滑落することはなさそうなので安心感があった。なお、凍結区間は下りもワカンのまま通過できた。

 ようやく最後の傾斜区間が終わって1620肩に到着。立木の高さが一気に低くなり遮る物の無い大展望が広がる。空気の透明度がいまいちで遠くの山までは見えないが、てっぺんが平坦な七ヶ岳や鼻舟山が目立っていた。七ヶ岳の奥に微かに見える真っ白な物体が会津駒ケ岳付近だろう。

 肩から山頂までは広くなだらかな尾根歩き。稜線北側が切れ落ちているのでやや南側を進んでいると、雪面が僅かに窪んでいるような。よ〜く見ると人間の古いトレースのようだ。これまでの尾根では足跡には気づかなかったがどこからやってきたのか? その答えは西にある森林公園で、下山後ネット検索したら観音山の冬季ルートは一般的には森林公園が起点となっていた。私も公園があるのは知っていたが、集落から離れた場所にあるので除雪などされているはずないと思い込んでいたのでルートとして最初から考えていなかったが、ここは冬の間でも除雪されているそうだ。ここから登る尾根は私が登ってきた尾根よりも傾斜はずっと緩やかで危険度が低い。知っていれば私もそっちから登ったのだが・・・。

 古いトレースを辿って観音山山頂に到着。だだっ広くて明瞭な最高点は無く、低いアスナロに付けられた赤布が唯一の目印らしかった(霧氷で隠れているのかもしれない)。展望は文句なし、ここまで来ると白銀の旭岳が大迫力だ。今日の天候なら登山者がいるかもしれない。実際、帰りがけに見た甲子トンネル東口駐車場は満杯で、駐車場から稜線に向かって足跡が続いていた。

 昨日の小さな山と違ってここまで登るのにそれなりに疲れたが、この大展望で気力は回復。それに雪面の下りは無雪期よりも足への負担が少なく疲労がかなり軽減される。少しだけ休憩して下山開始。基本は往路を戻るが1313m峰より先の下りは恐ろしいのでここだけ別ルートにする。1313m峰から北西に延びる尾根が傾斜が緩そうなのでそれを下ることにしたが、下山後にGPSログを確認したら登ってきたのはまさに北西尾根だった。ここでワカンからアイゼンにスイッチ。

 そうとは知らずに出発、往路の足跡より西側を歩くことになるので往路の足跡を無視して方位磁石で北西に下る。浅い谷を横断して次の小尾根に乗って下ってみたが途中で尾根が消失、予定の尾根とは違っていることが判明したが、この付近はどこも似たような傾斜なのでそのまま広い谷を下ることにする。幸い、往路よりは傾斜が緩くずっと同じような傾斜で灌木が適度にあり下りやすかった。小規模な雪崩の痕跡はあったが今の積雪量と雪質では新たに雪崩れる心配はなさそうだった。

 やがて傾斜が緩んで観音川が接近、川へ下る斜面がえらく急で最後の最後で危険な場面。そこは木が密集した微小を選択、木に掴まってクリアした。川に下った場所がちょうど幅が狭く簡単に渡れる場所で助かった。往路で渡った倒木より100mくらい下流だったようだ。あとは往路の足跡を辿って車へ。道路の温度計は+5℃に上っていて日差しが暖かかった。

 

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